発信時間 : 2017年03月16日18時18分 木曜日
籠池氏会見ドタキャン裏 森友問題、稲田氏と無理心中画策
刑事告発の回避狙いか…
学校法人「森友学園」(大阪市)が開校を目指していた小学校の設置認可をめぐる問題で、籠池(かごいけ)泰典理事長(退任を表明)が、15日午後に東京・有楽町の日本外国特派員協会で予定されていた記者会見をドタキャンし、来週に延期した。「爆弾発言」を先送りした籠池氏について、自身の刑事告発や経済的な負担を回避しようと、政官関係者に揺さぶりをかけているとの見方もある。
外国特派員協会は同日朝、会見延期を発表、来週中に開く日程で調整している。同協会によると、籠池氏側から延期の申し入れがあったという。同協会は「詳細は控える」と説明した。
ただ、籠池氏は同日午前、大阪の自宅を出て飛行機で上京している。マスク姿だったが体調面に問題はなさそうだった。
記者会見では、稲田朋美防衛相ら政治家との関係について質問が集中すると思われたほか、「学園側に便宜を図ったとされる国や自治体関係者の存在も浮上している」(在阪ジャーナリスト)という状況だけに、籠池氏が爆弾発言を炸裂させるのではないかと注目されていた。
10日の記者会見で冗舌だった籠池氏だが、金銭をめぐる疑惑については十分に釈明できていない。
大阪府が籠池氏らの刑事告発を検討しているのは、約15億円とされる小学校建設工事費について、学園側が「7億5600万円」と過少申告していた点などだ。認可を得るために財務状況をよく見せようと、申告額を少なくしたと府は判断。虚偽の契約書を提出した「私文書偽造罪」 や、設置認可の判断を妨げた「公務執行妨害罪」などに該当する可能性があるとみている。
だが、弁護士の高橋裕樹氏は「私文書偽造罪は、他人の名前を勝手に使った場合に適用される…..
金額が違っていたからといって問われる罪ではない。公務執行妨害罪は、公務員を暴行・脅迫した場合に適用されるもので、業務を妨げたから罪に当たるという解釈は明らかな誤り」 と疑問を呈する。
学園が運営する幼稚園の補助金の不正受給疑惑も浮上している。幼稚園の副園長を務める籠池氏の妻、諄子(じゅんこ)氏は、別の認可保育園の園長も務めていたにもかかわらず、それぞれ常勤だった場合に加算される補助金を府と大阪市から支給されていたことが判明。いずれも常勤ということはあり得ず、府は補助金を二重に受給していた疑いがある。
府はこうした補助金について、学園側に申請を裏付ける資料を提出させ、再点検する必要があると判断。幼稚園への立ち入り検査も検討している。補助金適正化法などでも刑事責任を問えないか検討する意向だ。
今月6日には、一般男性が籠池氏らに対し、贈賄申し込み罪での告発状を大阪地検に提出した。自民党の鴻池祥肇(よしただ)参院議員は、籠池氏側から2014年に財務省への仲介を要請され、「封筒」を渡されそうになったと証言。諄子氏は中身が3万円分の商品券だったことを認めている。
前出の高橋氏は「贈賄罪に当たる可能性がある。2000~3000円を渡した程度なら、立件される可能性は低いものと思われるが、3万円という額は判断が分かれるところだろう。いずれにせよ法的には賄賂を渡そうとした前提事実が認められれば、法的に問うことはできる」と話す。
籠池氏は、建設中の校舎を取り壊して更地にすることにも強く抵抗している。「しゃべるぞ、しゃべるぞと駆け引きして、好条件を引き出そうという狙いがあるのでは」(在阪ジャーナリスト)との声もあった。
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