発信時間 : 2017年03月15日08時20分 水曜日
「森友学園」問題での倒閣運動は無理筋 度が過ぎる「同じ穴のムジナ」現象
国有地取得への疑惑に端を発する学校法人「森友学園」(大阪市)問題は、設立予定の小学校の認可申請取り下げと、籠池(かごいけ)泰典理事長の退任表明で一応の終息を見つつある。
野党は、安倍晋三首相や夫人などが土地取得に口利きをしたのではないかと、政権を揺るがす大疑獄事件に仕立て上げようとしていたが、空騒ぎに終わろうとしているのではないか。

森友学園問題の発端は
財務局は2010年、東隣の同規模の国有地を約14億2300万円で公園用地として豊中市に売却した。一方で森友学園には小学校用地として昨年6月、鑑定価格9億5600万円からごみ撤去費8億1900万円などを差し引いた1億3400万円で売った。
政治的立場の左右に関係なく、有名人や有力者との関係を誇示して自分を大きく見せるタイプの人物はいる。利用できるものは何でも利用する厚かましい人も一定程度いる。
今回の騒動は、その種の人物が演じた喜劇に過ぎないと感じている。金額の異なる複数の契約書の存在や、有名進学校の名前を無断で使ったことなども発覚している。安倍首相夫人も利用されただけだろう。
問題が大きくなるにつれて、籠池氏と少しでも縁があると思われる人物は、同氏と「同じ穴のムジナ」として、関連づける動きが見られた。
ある夕刊紙は、私を「日本会議」のメンバーとし、安倍首相と大阪府の松井一郎知事を結びつけたのは、私が理事長を務める「日本教育再生機構」であり、籠池氏と、安倍首相、松井氏の「疑惑のトライアングル」の中心に日本教育再生機構が存在するとの虚実混在の記事を掲載していた。
私は日本会議のメンバーではない。確かに、野党時代の安倍首相と松井氏を結びつけたのは日本教育再生機構であり、きっかけとなった大阪市内でのシンポジウムでは私が進行役を務めた。
その後の居酒屋での懇親会では、もっぱら政治的なことが話し合われた。野党議員は「 その場に、籠池氏がいたのではないか」と国会でも追及していたが、幼稚園の経営者が出席できるような場ではない。
私は7年前、知人に頼まれて森友学園経営の幼稚園で講演した。前夜には籠池夫妻と食事もした。学園の関係者と会ったのは、この時だけだ。私は日程と条件が合えば、講演を引き受ける。講演先の詳しい事情を知らないことも多い。同学園もその1つだ。特別の関係があるわけではない。「疑惑のトライアングル」の中心に私などがいるという構図は、どう見ても無理がある。
第2次安倍政権発足後、安倍首相や閣僚と「在日特権を許さない市民の会」(在特会)を無理やり結びつける報道が相次いだ。「友人の友人が、アルカーイダ」とは、昨年亡くなった鳩山邦夫元総務相の迷言だが、何人かを介せば誰とも繋がる。今回の騒動も同じやり口で、いい迷惑だ。…..( 八木秀次 )
—終わり—