発信時間 : 2021年08月06日14時28分 金曜日

【ニューヨーク=後藤達也】世界で新型コロナウイルスの感染増が加速している。1日あたりの新規感染者は60万人を超え、2020年末~21年初めにも迫る勢いだ。インド型(デルタ型)が米国や東南アジアを中心に急拡大している。ワクチン普及前と比べ重症化率は低いものの、米国では入院者が増え、一部では医療逼迫の懸念も出ている。


マレーシアでは5日の新規感染者が2万人を超え、過去最多を更新した。政府はワクチン接種率の引き上げに懸命だが、接種率は24%にとどまる。インドネシアでは一部地域の行動制限で新規感染は頭打ちの兆しが出ているが、地域によって医療体制が追いつかず死者が1500人を超える日が続いている。タイでは首都バンコクなどで都市封鎖を始めたが感染拡大に歯止めがかからない。




全米の入院者も5万人を超え、医療逼迫の懸念も再浮上している。ルイジアナ州では入院者が1カ月で7倍近くに急増した。感染増に歯止めがかかる兆しが出ておらず、病床や医療従事者の不足が深刻になるリスクが高まっている。







7月18~31日を対象にした米疾病対策センター(CDC)の推計では米国の感染の93.4%がデルタ型だ。米国の新規感染はこの1カ月で7倍強に急増した。米ホワイトハウスによると、フロリダやテキサスなどワクチン接種率の低い7つの州が先週の新規感染者や入院者の半数を占めている。ニューヨーク州など接種率の高い州でもこの1~2週間で増えている。米政権のファウチ主席医療顧問は「今後数週間で20万人へ倍増する可能性がある」と指摘する。

米国で初のショットを受け取ったの人物, ニューヨーク市の人救命救急看護師サンドラ リンゼイ

米ジョンズ・ホプキンス大の集計では、4日の世界の新規感染者(7日移動平均)は60万9800人と5月19日以来の多さとなった。6月には40万人を下回っていたが、1カ月あまりで5割以上増えた。
5月9~22日の3.1%から急上昇しており、デルタ型主導で感染が拡大したことがわかる。特にデルタ型の比率が高い地域(アイオワ州、カンザス州、ミズーリ州、ネブラスカ州の合計)で98.4%と大半がデルタ型となっている。





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