津波備え 水上避難カプセル開発

発信時間:2012年10月13日19時10分 土曜日

海面に浮かべられた避難用のカプセル(由良町で)

南海トラフ巨大地震による津波に備えようと、由良町の鉄工所が、水に浮かぶ4人乗りの避難用カプセルを開発した。同町内では10日、発表会が行わ れ、行政関係者らが試乗していた。沿岸部などで、自力での急な避難が難しい高齢者や逃げ遅れた人たちが、緊急避難用として活用することを目指している。
開発したのは、鋼材の製造などを手がける同町の「浜出工業」。代表の浜出吉高さん(46)が、東日本大震災の津波被害を目にして、「逃げ遅れても、命を救える設備を作りたい」と考え、県工業技術センターの協力を得ながら、1年半かけて完成させた。
カプセルは、全長2・2メートル。重量1・5トンの円筒型。表面は厚さ6ミリの鋼鉄に覆われ、内側には耐熱材を備えている。強い衝撃にも耐えられ るようシートベルト付きの4席を設置。側面と上面にハッチを設けている。底部には約100キロの重りをつけて、波にのみ込まれても自力で体勢を元に戻すこ とができる。
「たすかプセる」と名付けられ、価格は約250万円で、注文を受けた後に製造する。
この日の発表会では、同町役場近くの漁港で、町職員らが乗り込んだカプセルが海面に浮かべられ、乗り心地などを確かめていた。
同町総務政策課の松村治樹さん(24)は「思ったよりも揺れが少なく、中も快適で安心感がありました」と話していた。
南海トラフ巨大地震では、県内では最短2分で高さ1メートルの津波が到来し、最大で高さ10メートル以上の津波が来ると想定されている。津波が来 るまでに高台の避難所などに逃げることが難しい高齢者や障害者らが利用するほか、沿岸部で活動する警察や消防などの関係者が、車両にカプセルを載せ、逃げ 遅れそうになった時に活用することを想定している。
浜出さんは「いざというときに生き延びるハード面の最終手段として活用してもらえたら」と述べた。

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